いとこのY君が、今日無事に定年を迎える。
ほんとに、よくがんばったと言うか、よく耐えてきたと思う。
Y君は、目は飛蚊症で見づらく、耳も遠く、仕事に支障もあっただろう。
そんな状態でも、最後まで勤める決心をしていた。
先日、Y君の庭で奥さんと話しているとき、Y君が帰宅した。
「ここですよ」と奥さんが声を出しても、やはり耳に届かない。
「定年、定年!」と強調するので、「卒業だよ」と告げた。
心から、卒業のお祝いをと、思わず握手をしてしまった。
しばらくは、のんびりと花作りでもと考えているらしい。
それもまた、楽しみの一つにしたらいいとは思う。
しかし、卒業が人生の終わり、とは考えてほしくない。
森信三先生の「一日一語」から、次の言葉を贈っておきたい。
人は退職後の生き方こそ、その人の真価だといってよい。
退職後は、在職中の三倍ないし五倍の緊張をもって、晩年の人生と取り組まねばならぬ。