広島から「のぞみ」に乗って、大阪に近づく頃のこと。
クリーンメイツと呼ぶのだろうか、若い2人の女性が、車内清掃を始めるとアナウンスがあった。
博多から東京までの距離が長く、空き缶やゴミなど少しでも片づけておこう、というわけだ。
ペアでメイツは、JR西日本だけのような気がしている。
『そうか、車内をクリーンアップしようというわけだ』と思いながら、辺りを見回した。
自分の手元には、何も片づけてもらうものはない。
お隣さんは、ペットボトルがあるな。
で、発見したのが、入口近くの通路に落ちている白い紙のようなもの。
ただし、大きさは小さくて、ストローの袋の先を破ったくらいのものだった。
さて、この紙切れに、クリーンメイツは気づくだろうか。
ゴミ回収ということなら、気づかないかもしれない。
でも、車内をクリーンにしようということなら、気づくかもしれない。
さあ、入口にクリーンメイツがやってきて、あいさつの頭を下げたが、どうなる?
先頭の女性が、さっと、腰をかがめて紙切れを拾い上げた。
声には出さなかったが、『すごい、ちゃんと気づいたね!』と大喝采していた。
きちんとした仕事をしている姿を見ると、うれしくなる。
今度は、空き缶でも用意して、クリーンメイツに渡しながら、「ありがとう」って言えたらいいなぁ。