滋賀県の木之本町へ出かけた。
もちろん、仕事である。
FMCの事業に参加することを、Sさんは即決した。
これで、滋賀県にも販路を拡大することができそうで、喜んでいる。
仕事が終わってから気がついたのだが、Sさんのお宅は以前、茅葺のようだった。
確認してみると、近くにも旧茅葺の家が散見される。
「茅が手に入りにくくなった、あるいは、できる人がいなくなったので屋根を変えられた?」と、尋ねた。
「いやぁ、それよりも維持する費用が大変で、雨漏りはするし」で、トタンを被せたという。
「このキッチンの場所は、土間だったのでは?」
「ちょうど、この位置にかまどがあったんですよ」と、Sさんは懐かしそうだ。
欅の太い柱が、輝いている。
100年を超える年月を過ぎた家の静寂な、しっとりした空気を気持ちよく感じた。
FMCのヒーターで、火災の心配はなくなり、さらに長い年月、Sさん夫妻の幸福な家庭を見守り続けてくれることだろう。