元日に見て面白かったのが、NHKの『万葉集への招待』だ。
どうやら、『日めくり万葉集』などいろいろな番組を編集して、再放送されたもののようだ。
なかで、万葉集ファンが選んだ好きな歌ベスト10は、興味深かった。
第三位は大伴家持の歌で、万葉集4516番の最後の歌。
新しき年の初めの初春の今日降る雪のいや頻け吉事。
最後の歌が、新年の歌であったことは、初めて知った。
第二位は志貴皇子の、石走る垂水の上のさわらびの萌え出づる春になりにけるかも。
第一位は額田王の、あかねさす紫野ゆき標野ゆき野守は見ずや君が袖振る。
いずれも、万葉秀歌と呼ばれているものだ。
漫画家 里中満智子さんが、『天上の虹』で万葉集の世界を描いている。
それが、すでに30年にわたっていることに驚いた。
里中さんは、「万葉集は、年齢に関係なく、心に響くものがある。
なんだか、告白手記を読んでいる気になる」と話している。
万葉集は、日本語の始まりであり、日本文学の始まりとなるもの。
源氏物語と同じように、その原本は見つかっていない。
まだ解読されていない部分もある、という。
大らかな万葉の世界を、再度味わってみたくなった。